絵本のあの子と、今日を歩く。ヨシタケシンスケの靴下6種類
朝、出かける前。
今日は何を着よう、と考えることはあっても、靴下についてじっくり悩む日は、それほど多くないかもしれません。
引き出しを開けて、なんとなく手に取る。
左右をそろえて履いて、靴を履いたらほとんど見えなくなる。
靴下って、そんな存在ですよね。
でも、その小さな足元に、好きな絵本のあの子がいたら。
いつもの一日が、ほんの少しだけ違って見えるかもしれません。

今回「絵本のくつした」に仲間入りするのは、ヨシタケシンスケさんの絵本から生まれた6種類。
『おしっこちょっぴりもれたろう』
『ころべばいいのに』
『もう ぬげない』
『りんごかもしれない』
タイトルを見るだけで、あの絵や、あの場面を思い出した方もいるでしょうか。
なんでもない一日を、少し違う角度から


ヨシタケシンスケさんの絵本には、ものすごい事件が起きるわけではありません。
服がぬげない。
おしっこがちょっぴりもれる。
嫌いな人のことを考えてしまう。
目の前にあるりんごを見て、「これって本当にりんごなのかな」と考えてみる。


どれも、よく考えるとずいぶん身近なことです。
でも、その「なんでもないこと」から、想像が思いがけないところまで広がっていく。
そこがヨシタケさんの絵本のおもしろさのひとつなのだと思います。
大人になると、目の前にりんごがあれば「りんごだな」で終わります。
まあ、普通はそれで困りません。
けれど、「本当に?」と一度立ち止まってみると、そこから急に世界が広がることがある。
そんな感覚って、絵本を閉じたあとにも、少し残っていたりします。
そして、その余韻を暮らしの中に連れていくものとして、靴下というのは意外と相性がいいのかもしれません。
『おしっこちょっぴりもれたろう』― ちょっと困った日も、一緒に
まずは『おしっこちょっぴりもれたろう』。
新しく登場するのは、「もれたろう ブラウン」です。

おしっこがちょっぴりもれてしまう。
子どもにとっては、けっこう切実な問題です。
でも、もれたろうが自分の悩みと向き合っていくうちに、世の中には自分とは違うことで困っている人もいるのかもしれない、と少しずつ景色が変わっていきます。
困っているのは、自分だけじゃない。
そう思えるだけで、少し気持ちが軽くなることってありますよね。
もれたろうの靴下を見ていると、なんとなく「まあ、いろいろあるよね」と言われているような気がします。
そんな日は、大人にもあります。
キッズとレディースがあるので、親子で同じ柄を選ぶこともできます。
たとえば朝、子どもが先にもれたろうを選んでいたら、大人もこっそり同じ靴下にしてみる。
玄関で気づいて笑うかもしれないし、夕方まで気づかないかもしれません。
そのくらい気負わないおそろいが、日常にはちょうどいい気がします。
絵本のくつした もれたろう ブラウン/レディース
絵本のくつした もれたろう ブラウン/キッズ
同じ作品からは、もれたろうのプチタオルやステッカーも。
バッグの中と足元で、さりげなくおそろいにするのも楽しそうです。




『ころべばいいのに』― モヤモヤする日だってある

『ころべばいいのに』。
タイトルだけを見ると、なかなか強烈です。
誰かに嫌なことをされたり、嫌いな人のことが頭から離れなかったり。
「考えたくない」と思っているのに、気づけばまたそのことを考えている。
大人にも、ありますよね。
この絵本は、そんなモヤモヤした気持ちを無理にきれいなものへ変えようとはしません。
嫌なものは嫌。
腹が立つ日は、腹が立つ。
でも、そこから少し違う方向へ考えてみることはできるかもしれない。
読んでいると、そんな余白が生まれます。
今回靴下になったのは、「アイツ」。
こちらもキッズサイズとレディースサイズがあります。
毎日いつでも、ごきげんでいられるわけではありません。
仕事でちょっと嫌なことがあった日。
学校でうまくいかなかった日。
なぜだかわからないけれど、朝から機嫌が悪い日。
そんな日に「今日はアイツにする」と靴下を選ぶのも、私はいいなと思います。
感情を無理に片づけなくてもいい。
靴下くらい、ちょっとふてくされていてもいいですよね。
絵本のくつした アイツ/レディース
絵本のくつした アイツ/キッズ




『ころべばいいのに』からは、「だっこ」のステッカーもあります。
同じ絵本の中でも、どの場面や表情が心に残るのかは人それぞれ。
そういう違いも、絵本グッズのおもしろいところです。
『もう ぬげない』― どうにもならないなら、どうしよう

服が頭にひっかかって、ぬげなくなった。
普通なら「助けて」で終わりそうな出来事です。
でも『もう ぬげない』の主人公は、そこから先を考えます。
もし、このままずっとぬげなかったら?
このまま大人になったら?
この状態でも暮らしていける?
もしかしたら、同じような仲間がいる?
困ったことが起きているはずなのに、想像はどんどん自由になっていきます。
子どもの話なのに、大人が読むと妙に身につまされるところもあります。
どうにもならないことを前にして、だったらどうするかを考える。
案外、大人の毎日も、その繰り返しかもしれません。
新しい靴下は、「ぬげない モスグレー」。
レディースサイズで、落ち着いた色合いの中に、あの姿がちょこんと入っています。
いかにもキャラクターグッズ、という雰囲気ではなく、普段の服にさらっと合わせられるのもいいところ。
パンツの裾から少しだけ見えて、
「あ、『もう ぬげない』だ」
と気づく人がいたら。
そこからちょっとした会話が始まるかもしれません。


すでに販売している『もう ぬげない』のステッカーと合わせて、ノートやスマートフォンにも作品の気配を。
『りんごかもしれない』― 足元から、想像してみる

最後は『りんごかもしれない』。
今回登場するのは、「りんご星人 ブライトレッド」です。
こちらはレディースサイズ。
赤が目を引く一足なので、パンツやスカートの裾から少しのぞくだけでも、いいアクセントになりそうです。
『りんごかもしれない』は、テーブルの上にあるひとつのりんごから始まります。
でも、主人公は考えます。
これは、本当にりんごなんだろうか。
中身は別のものかもしれない。
どこかから来たりんご星人かもしれない。
そもそも、自分が知っているりんごとは全然違うものなのかもしれない。
大人になると、目の前にあるものに名前をつけたところで、考えるのをやめてしまうことがあります。
りんごは、りんご。
椅子は、椅子。
靴下は、靴下。
それで十分といえば、十分です。
でも、ときどき「本当に?」と考えてみるのも悪くありません。
子どもは、雲を見て動物を探したり、壁の模様を顔に見立てたりします。
ああいう時間って、大人になるにつれて少しずつ減ってしまいますよね。
だから大人が、りんご星人の靴下を履くのもいい。
赤い靴下を見て「今日は派手かな」で終わるのではなく、
「まあ、りんご星人だし」
と思ってみる。
何の役に立つのか、と聞かれるとちょっと困りますが。
そういう無駄な想像の時間って、意外と大切なのかもしれません。


『りんごかもしれない』からは、すでに「りんごいっぱい」の靴下や、りんごのステッカーも登場しています。同じ作品でも、どのモチーフを選ぶかで雰囲気はずいぶん変わります。
りんごいっぱいにするか、りんご星人にするか。
ちょっと迷うのも楽しいところです。

絵本は、本棚の中だけにいなくてもいい
絵本を読む時間は、少し特別です。
子どもと並んで読む夜も。
大人になって、久しぶりにひとりでページを開く時間も。
でも、本を閉じれば物語が終わってしまうかというと、そうでもありません。


タオルを使ったとき。
スマートフォンに貼ったステッカーを見たとき。
靴を脱いで、足元のあの子が目に入ったとき。
「あ、この絵本」と思い出す。
それだけで、本棚にいた物語が、日常のほうへほんの少しはみ出してきます。
絵本の世界をそのまま再現するのではなくて、
絵本を読んだときの気持ちを、暮らしの中に少し残しておく。
絵本のグッズには、そんな楽しみ方もあるのかもしれません。
今回仲間入りする6種類の靴下も、誰かの毎日の中で、そんな小さな存在になってくれたらうれしいです。
明日の朝、靴下の引き出しを開けたとき。
今日は、どの子と出かけましょう。
ヨシタケシンスケの絵本グッズを暮らしの中に

靴下のほかにも、ステッカーやタオルなど、ヨシタケシンスケさんの絵本から生まれたグッズを集めています。
好きな絵本から選んでも。
今日の気分で選んでも。
本棚の中にいるお気に入りを、いつもの暮らしへ連れ出してみませんか。




